Photoshopの新機能を試す

画像処理全般のスタンダードアプリが先日2022バージョンになり、新しい機能が追加されました。以前からあった「ニューラルフィルター」に「風景ミキサー」という機能が追加されたのはご存じの方も多いかと思います。

すでに内蔵されている雪景色の写真を使って加工した岡山城の写真です

なんとなくそれらしい印象ですが、天守の辺りはガチャガチャですね

どんな写真と組み合わせると面白いのかやってみました

岩肌の写真と岡山城です。う〜〜んこれもありなのかな??

様々な写真を試してみたのですが、最初に見た驚きは凄かったのですが、「こんな風に仕上がるかな」という予想を持って作業すると、意のままになりません。出会い頭にびっくりさせる目的は達成できるのですが、驚愕が次第に困惑に変わってきます。

出来上がった物は「写真」ではありませんね。それは確信できました。

プロテック通信8号をアップしました

前回の7号から隔月の発行で2P仕様となり、写真が見やすくなっているのですが、文章も増えてしまい読みにくいかもしれません。次回から気を付けようと思います。

何時ものようにPDFファイルはトップのメニューからダウンロード出来ますので是非ご一読ください。

プロテック通信-2021-7号公開です

7月末の公開はお休みしましたので、8月末公開が7号になります。
この回から、A4両面となり写真も見やすくなりました。

コロナウイルスの猛威が治まらず、猛暑酷暑と気分と体調にストレスがたまる日々ですが、パラリンピックの映像を見ながら、気がついたら胸いっぱいの感動が頬をつたっています。自然にモチベーションの高まりを感じ、なんとか自分も頑張って乗り切ろうと思えました。

PROTECの正しい色再現-明るさとWBが基本

風景や人物や料理などは、再現する色彩に多くの人が美しいと感じる色彩を求めますが、絵画やイラスト、商品、アパレル等ではオリジナルの色なので、「こうあるべき」がありません。人がその物を見たときの色や明るさを再現することが、撮影の目標になります。

プロテックでは美しい事と正しいことを切り分けて、感覚ではない数値によるコントロールをしています。
この回では明るさの決め方と撮影時のホワイトバランス(以後WB)について、アート作品の複写を題材に紹介します。

<題材の作品は芸術家 高原洋一氏の作品です。了解を頂き掲載しています>

明るさの決定は勘ではなく、このようなチャートを使って行います。

X-Rite社のグレースケールチャートで、中間のグレーが反射率50%の明るさです

真ん中のグレーがRGB値で全てほぼ118となるように露出を調整して撮影します。
何故256階調の中間である128ではないのかとの疑問もあると思いますが、sRGBやAdobeRGBでは、ガンマ2.2なので118が正しいと思って下さい。「何枚か段階露光して後から選べばいいや」では、本来の作品が持つ明るさが損なわれるかもしれません。

作品の用紙は「白に近いだろう」と、勝手な推測で明るさ調整した結果、オートホワイトと自動露出で撮影するとこうなりやすいです
撮影していた部屋の明るさが暗い場合など、濃厚な印象が記憶に残り現物とは大きく異なり、「暗い」仕上がりを作ってしまう場合があります


グレーチャートを基準に明るさとWB調整を行った結果です。
無意味に段階露光を行って使えないデータを増やすよりも正しい撮影を行うことが重要と考えます。
大型ストロボを持ち込んで撮影していても、部屋の状況によって意外なほど大きく変化しています。ストロボの設置が少し変わったら、チャートを入れて撮影しておくように心がけています。

次に色彩について考えます
上の写真はCANON R5の標準的な色設定である「スタンダード」を使っていますが、色彩の印象が違っています。


Canon 独自の色調整機能である「ピクチャースタイルエディター」を使って、好き嫌いではなく最も現物の色彩に近い「オリジナルピクチャースタイル」を制作し適用させた結果です。
青の色彩がハッキリ異なっています。

極論をいえばカメラの色彩は「正しく色彩を記録」するようには作られていません。人が期待したような色彩で再現できることを良い色のカメラとしているため、仕方ないと思います。反面、正しい色彩を必要とする撮影では害しかありません。

児島水田の空撮

先月末に撮影したドローンによる写真になります。
この時期にしか見られない水鏡となった水田と、雲の位置で刻々と変わる薄明光線を捉えました。
夕景も撮影したかったので、この日以降も気にしていましたが天候に恵まれず、終ぞ夕景を撮影することが叶いませんでした。来年までの楽しみにします。

岡南飛行場の制限表面

制限表面とは航空機が安全に離着陸するためには、空港周辺の一定の空間を障害物が無い状態にしておく必要があり、そのために設けられた制限区域のことを言います。
空港近辺に一定以上の建築物を設置できないのも、制限表面による制限です。

ご覧のように岡南飛行場の制限範囲は児島湖ほぼ全域を覆っております。
今回使用したAutelrobotics evo 2 proはDJI系列と異なりカスタムロック解除(https://www.dji.com/jp/flysafe/custom-unlock)を行い飛行させることはできません。
また、飛行中にもこの範囲に入らないように制限を受けます。

せっかく必要な手続きを踏んだのに、いざ飛ばそうと思ってから制限表面に拒まれ飛ばせないということも起こりえますので、制限表面についてご留意ください。

ビオラ4重奏

先日 ビオラ4重奏のグループのプロフィール撮影をさせていただきました。


通常なら 多少緊張なさり撮影するときに気をつかうのですが まったく そんな心配はなく みなさん ずっと笑い声が絶えませんでした。


 この方たちの奏でる音楽はさぞ息がぴったりで 楽しいんだろうな と思います。

もちろん 肌や表情がきれいに再現できるようにライティングに気をつかいました。

なお ビオラの4重奏は全国的にもめずらしいそうです。

プロテック通信 2021-6号を公開しました

豪雨の梅雨が心配される今日この頃ですが皆様にはお変わりないでしょうか。
線状降水帯という聞きたくない言葉がTVにあふれていますが、西日本豪雨のようにならない事を祈るばかりです。
私個人としては、コロナワクチン2度目の接種を完了し、少しだけ心が軽くなった印象です。

単焦点レンズかズームレンズか

 今更ですが写真がもっと旨くなりたい想いが、ここ数年徐々に強くなっています。
そこで先輩諸氏に習い単焦点レンズ、しかも標準レンズを多用したり、非常に背景がよくボケる大口径レンズを試してきました。映像が新鮮に感じられ楽しんでいましたが、ある日パソコンで写真をチェックしていると、「変わり映えしないな」「全然わくわくしていないな」という印象を、さっき撮ってきた写真に感じました。

では、便利ズームではどうだ! と今度はズーム1本で1日過ごしてみると、今までよく理解していなかった、私自身がカメラを向けるきっかけを知ることが出来ました。

 最近は時々カメラを持って山歩きをしていますが、その時その時感じる事物全般に画角や距離感や色彩ではなく、スッと惹かれたときに脈絡なくカメラを向けているようです。そんな行き当たりばったりの私が、単焦点レンズという決められた画角に縛られていたのかもしれません。結果的に心引かれる被写体に反応できない事がストレスになっていたようです。

 一番大事にすべきことは自分の心のザワつきを見逃さないことと、今更ながら再確認出来ました。暫くは便利ズームと単焦点1本の2段構えで、修行を続けたいと思っています。

掲載した写真は、CANONのピクチャースタイルエディターという仕組みをベースにした、「梅雨色」という表現を具体化したく、小雨の中撮影してきた「美咲花山園」での写真です。
ピクチャースタイルのFBも良かったら覗いてみて下さい。
https://www.facebook.com/psefan

ドローンの活用法

Autel Evo2 Proを使用して、オルソ画像を作成しました。

ドローンの活用法を模索、チャレンジしています。

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この太陽光パネルは山地の斜面に設置されており、今回は手前にあるパネル群を複数に分割して撮影、得られた数十枚の画像をソフトウェアを介して結合、書き出すことで通常の撮影では困難な広大な敷地、設備の正射投影された画像を作成することができました。

その過程で、Googlemapのような3Dデータも入手でき、傾斜地にあることがお分かりいただけるかと思います。

ドローンを用いたこれらのデータは、収得についてはまだ勉強することが多くありますがその活用については、さまざまな可能性を感じます。

オルソ画像とは

ドローンなど航空機で撮影した静止画(空中写真)を正射変換することで得られる画像(電子国土基本図)です。
詳しくは国土地理院のオルソ画像についてをご覧ください。

国土地理院:オルソ画像について
https://www.gsi.go.jp/gazochosa/gazochosa40002.html
より

CMS環境での室内照明の選択肢が広がる

今更ですが、カラーマネージメントやってますか?
モニターはキャリブレーションが必要だということを、ご理解されている人が増えてきましたが、部屋の明かりはどうしたらよいか正しい答えを持ち合わせている人は少ないようです。

今回は照明器具の紹介なのですがその前に、何故室内照明が重要か簡単に説明させて下さい。

室内照明に最も大きな影響を受けるのは我々人間の目です。肉眼は高精度なオートホワイトバランス機能を備えていて、環境光の色を補正してニュートラルに見ようとします。本来緑が強い一般蛍光灯の下でも、白い物は白く見えます。モニターの白は環境光の白と合致している必要があり、結果としてプリントや印刷とモニターの色が同じように見えます。
ここからは詳細な説明を省いて独断に近いのですが、モニターをD50(約5000ケルビン)の規格に調整し、環境光をそれにあわせる事が入手出来る光源等を考えれば最も適切です。

最もまずいのは、環境光はそのままでモニターのボタンでちょこちょこ調整し、「良い感じ」にしてしまうことです。

演色性に優れた光源を選ぶ
高演色蛍光灯の定番。色評価用、美術館用など数種が売られています。

Panasonic色評価用蛍光灯リアルクスです。Ra=99で昼白色(D50)の製品です。昔は三菱や東芝からも同様の蛍光灯が発売されていましたが、だんだん見なくなっています。1000円〜1500円円と導入しやすい価格です。

光源を選ぶとき演色指数(Ra)という言葉を目にすると思いますが、この数値は指数なので最大が100です。高いほど基本となる太陽光で観察した時と、色彩毎の明るさや鮮やかさが同じように感じられます。一般的な蛍光灯やLEDでは70〜80で省エネのものほど演色指数は低い傾向です。ではモニター観察の環境光としての目安は最低でも90以上必要です。古くから多くの美術館や印刷所での色調整に使われてきた蛍光灯はRa=99を誇っています。

他にも直管式で入れ替え可能な「エコリカ」というLEDがあります。

20W型と40W型があり少し配線の変更が必要ですが、蛍光灯器具に取り付け可能です。Raは97で価格は8000円以上(40W型)と高価です。

使ってみてはいないのですが、室内照明で天井に付けるとなると最低でも2本、今の事務所では8本必要となり、弊社では現実的ではありません。

今回紹介する本命は「アイリスオーヤマ高演色LED電球」です。

何かと楽しい製品を世に送り出しているアイリスオーヤマのLED電球です。
価格も1350円ほどで、パッケージにはRa=97と書かれています。

ニンマリしたくなるような価格と性能ですが、実際はどうか非常に気になります。

他にもパナソニック等で高演色を謳うRa=90のLed電球はあるのですが、97という数値に負けて購入しました。表示されたRaの数値はかなりばらつきがあり、97という数値をそのまま鵜呑みにすることは危険です。デジタルカメラで確認したところ、やや緑成分が残っていて、色温度は5000Kを少し下回る印象です。個体差もあるので厳密には言及できません。

デスクのキーボードから約1mの距離で100cdに調整したモニターに適合する明るさになりました。
アイリスオーヤマのLed電球は60W型の消費電力が10.4Wですが、パナソニックのプレミアXというRa90の製品は60W型で7.3Wとなっています。演色性の良い製品は非効率という通説になぞれば、合点がゆく結果です。

弊社の普段パソコンで処理をしている部屋は、Ra99の色評価蛍光灯を使用しています。その環境で他社製高演色Led電球と比べてみました。

アイリスオーヤマ高演色LED電球60W型 昼白色
他社製高演色Led電球 昼白色
色評価用蛍光灯リアルクス D50

3者ともに大きな差は無いように見えますが、他社製高演色Led電球はチャートがやや青緑っぽく見え、赤〜オレンジが鮮やかで、青も前後も鮮やか過ぎです。「高演色」を謳う製品もRaが80の製品もあり、表示Raが正確かどうかも確証はありません。
使ってみるしかないのが現状です。

ではもしも環境光に無頓着だったり間違った使い方をしたらどのくらい問題があるか、見た目をシミュレーションしました。

緑成分の多い一般蛍光灯下でのシミュレーション
肉眼の色順応によりチャートは緑っぽさが押さえられ、反対にモニターは緑の補色であるマゼンタに見えます
色温度の低い電球色の照明下でのシミュレーション
チャートは赤褐色でモニターは青く見えます
この青さを「白い」と勘違いされる方も多いと思いますが、これは大きな間違いです

フィルムやプリントという物体を持たないデジタルフォトでは、如何に正しくデータの色彩を観察するかが重要なので、今回紹介したLed電球のように、信頼出来る光源が安価に入手出来るようになったことは大いに歓迎します。