正しい色彩の商品写真へ挑戦

我々広告に携わってきたカメラマンは、写真のイメージ的魅力と同時に、商品の色彩が正しく再現されるかどうかも求められます。

そこで、求めやすくなってきた小型の測色機を使って、正しい色再現の挑戦をしています。
今回のケースはアパレルにおける生地色の再現に挑戦します。
以下の様な4色の生地を撮影し、現物に如何に近づけるか方法を探ります。

Canon EOS 4Dmk4 デフォルトの設定で撮影

普通に撮影した結果ですが、色彩は現物とは微妙に異なっています。ブルーに見える生地は、もっとグリーンがかっており、茶色に見える生地は深い紫色です。商品の色彩を伝えるという役目は果たせていないようです。

色彩を記録する為の撮影から仕上げまで

1-撮影

カメラのホワイトバランスを「昼光」で撮影
カメラのホワイトバランスを、グレーチャーをクリックして調整

まずは、照明光とカメラをマッチさせます。

2-色彩の基本的な補正(ピクチャースタイル)

撮影したデータを現物色を忠実に再現できるよう工夫した、ピクチャースタイル(カメラの色調整システム)を使ってデータ現像時に色調整します。

オリジナルのピクチャースタイルを適用した結果

この段階ではまだ微妙に印象が異なる色彩といえます

3-生地色を測定

小型の測色機を使って生地の色を測定します

スマホでコントロール可能な小型の測色機を使って、生地の色彩を測定します。

4-測定値に合わせて色を調整

画面上に測定した数値で色のパッチを置いて比較しながら補正

現像した画像の上に測定した数値を元に、目標とする色のパッチを置いて似た色になるよう画像の色味を調整します。
完全な一致は生地を構成する糸の光沢等により無理でしたが、色合い(色相)を合わせる事で、現物に大きく近づく事が可能でした。

4-測色結果準拠とカメラ任せとの比較

現物をモニター横に並べればハッキリとした差があるのですが、基本的な色傾向は誤解ない範囲に収まっていると感じました。

アパレルの撮影ではカタログ等の印刷物に仕上げる場合には、印刷現場での色補正が当たり前なのですが、Web上でカタログを展開する場合には、こうした正しい色再現への取り組みが必須と考えます。

千差万別のユーザーの観察環境によって大きく左右される事は否めませんが、環境による色彩視認のブレを完全でなくても容易な方法で軽減できれば、こうした取り組みの有効性は計り知れないと思っています。

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