SONY「α」からCANON「R」に乗り換えた理由

以前はSONY α7iii とα7Riiiを使って商品や物件、イベント等のスチールとムービーの撮影を行っていましたが、2022年に機材一式をCANONに切り替えました。

今使っているのはEOS R5とEOS RPです。
今回の記事ではSONYからCANONに乗り換えた理由を記していきます。
似たような立場や、これから買うカメラを検討している方の参考になれば幸いです。

CONTAXG-1をスタジオで撮影
ボディが光沢のあるシャンパンゴールドで陰影のつけ方に随分悩みました

乗り換え前の状況について
α7iiiとα7Riiiはどちらも2018年に購入。
今では当たり前になっていますが、当時スチールとムービーのどちらもこなせることに魅力を感じており、サードパーティーのレンズも豊富であったため、レンズの選択肢が多いことは撮影の面でも金銭的な面でも助かりました。
α系のUIが、物理ボタンを省略しファンクションキーやメニューから機能にアクセスする仕様であること、撮影に関するメニューが豊富で、探している機能を見つけづらいことに戸惑いはありましたが、使う毎に慣れたことで克服していき、スチールとムービーが、細かな設定を選べるのは撮影の幅を広げてくれました。
レンズはSEL24105GやSEL70200G、SIGMAの14-24mm F2.8 DG DN Artなどを使っており、それらの描写やAF速度なども快適で不満はなく、プライベートではマウントアダプターを装着し父が持っていたNikonのオールドレンズなどを使い楽しんでいました。

α7iiiとSEL24105Gで撮影した竣工写真

しかし
仕事の内容や撮影方法が変わってきたことである不満が出てくることになります

それはテザー撮影です、有線と無線どちらも含みます。
まずPCと接続した場合のテザー撮影について、新しい制御アプリのimageEdgeが2017年に登場していましたので、そちらを使用しています。
バージョンアップ前は有線であるにも関わらず繋がりにくく、繋がった後も接続が切れやすい、そして切れると復帰が難しくPCの再起動を強いられました。
また電源を入れる順番も接続する際に、暗に求められる場合があり四苦八苦した記憶が残っています。

スタジオでEOS RPを使って撮影した
備前焼のぐい飲み

そしてそのimageEdgeが使いづらい。
撮影時のレリーズボタンにキーボードの「1」が割り当てられており、シャッターを切るときに迷うことになりました、またレスポンスも悪くシャッタースピードや絞りを変更しても、反映に若干の間があり撮影のテンポを損ないます。

次に無線の場合のテザー撮影について、この場合はimageEdgemobileを使うことになります。
このimageEdgemobileは有線以上に繋がりにくく、切れやすい。
CANONのCameraConnectももたつくときがありますが、それ以上でカメラ側で画像を確認すると接続が切れることもありました。
(後にアプリのアップデートでこの症状はある程度改善されましたし、a7ivなど新世代機ではwi-fiの対応規格が変わったこともあり、安定しているようです。)

有線・無線問わずこの接続のしづらさ、切れやすさは時間が限られる場合やクライアントが立ち会う撮影では辟易します。
そのため私はそういった撮影の際には、スロット2に東芝のFlashAirを指し、jpgのSを書き込む、転送するようにしていました。
FlashAirも熱で接続が切れるときはありましたが、その点さえ気を付ければ安定しています。

α7RiiiとSIGMA14-24mm F2.8 DG DN Artで撮影した
秋の豪渓

一応の解決を見て、αを使い続けていましたがPCでの操作については解決できませんでした。
imageEdgeのアップデートで接続に関してはだいぶ改善しましたが、操作系に関してはEOS Utilityと比較する機会が増えたこともあり、乗り換えの決断に至りました。

不満を吐露してきましたが、スチールもムービーもこなせて屋内外、昼夜問わずこなしてくれたaは良いカメラです。
ボディとレンズの豊富さは今も他の追随を許さないほど充実しており、それによって表現の幅が広がることも現にありました。

CANONに乗り換えて、まだ慣れきっていない部分もありますがaのときのように使い込んで手に馴染ませられればと思います。

EOS R5とSIGMA12-24mm F4 DG HSM Artで撮影した
醍醐桜と天の川

横着者の練習熱心1

最近あまり撮影しなくなったワインのボトルですが、ふと撮影してみたくなって、、難しそうなワインを選んで購入してきました。

撮影時間は出来るだけ短時間で、大ざっぱなセッティングでもキチンとした仕上がりを目標とし、レタッチを最小限にしたくチャレンジを開始しました。
しかし、モデル選びが甘かったようですね。あまりにも難しすぎて力不足を感じてしまいました。掲載していませんが5カット撮影して、仕上げまでの所要時間は約3時間でした。
3タイプの写真を仕上げて掲載しましたので、是非ご覧下さい。

ノーマルに撮影する事の方が格段に難しく、イメージカットは発想さえ出来ればバリエーションも含めて楽しく撮影出来ました。

今夜美味しく飲んでワインに愚痴を聞かせます

一番ノーマルな商品写真を目指しました
少しだけダイナミックな印象に仕上げました
被写界深度を浅くして撮影すると、細部のアラが見えなくてらくちんですね。

シリーズ山歩き-4

八塔寺山とふるさと村をモノクロで歩く

色の要素で写真を撮る事と、モノクロでの撮影では全く異なる表現があり、被写体適性も大きく違いますね。

今回はふるさと村を取り囲む山を廻ってきました。撮影時にモノクロに置き換えて風景を見る習慣が薄れて久しく、なかなか思ったような仕上がりには苦戦しました。

シリーズ山歩き-3

備中松山城その奥へ

松山城へは何度か登って、城主のさんじゅーろーをなでなでしましたが、その奥へと足を進めたことはありませんでした。

臥牛山から大松山城趾を経て展望台への道は、県南の森とは少し様相が異なり、時間を経た古い森の印象です。巨大なアベマキにびっくりしたり、野生の猿なのかなと少し不安になる鳴き声など、自然のままに存在してきた空気を感じます。

シリーズ山歩き-2

今日は山より色彩がメインの「まきばの館」です。様々なハーブが個性豊かな形と色彩で咲きほこり、軽い散歩を楽しめました。
同時にRF100-400mmではどの程度アップの撮影が出来るかチェックです。トンボの大きさがあれば問題ないのですが、さすがにミツバチは小さすぎました。

シリーズ山歩き-1

健康のために始めた山歩きで撮影した写真を掲載しました。
初回は最近伺った「岡山自然保護センター」です。名前は知っていても実際に足を運んだことがなく、簡単な柵の向こうではタンチョウが卵を抱いていました。外周を1周すれば3時間以上楽しめます。

日本一小さな八丁トンボも沢山いて、ウグイスは元気よく、他の鳥の声も絶えません。昆虫や草花が自然のままに時を紡いでいるようでした。

点光源で「太陽」みたいな光が欲しい

ずっと以前には点光源に近い、小さなハロゲン電球を使った照明器具もあったので、シャープな影を出したり鋭いガラス内の光を演出できましたが、ストロボに変わり発光体が大きくなり、LEDに変わってさらに大きくなるなど、面光源への対応は非常に容易になったのですが、点光源のシャープな光源が入手しにくくなっています。
クライアントからの依頼も含め長らく取り組んできたのですが、やっと現実的な価格で汎用性の高い機材が出現し、導入に至りました。

前にお知らせした、プロジェクターを使った撮影方法も1つの方法といえますが、元々の発光素子自体が撮影を意識していないため、発色面ではコントロールに苦労する機材です。しかし、プロジェクターでしかなし得ない撮影もあるので、全てが新機材に置き換わるわけではありません。

タングステン時代には「エリスポ」と呼ばれる、ライトカッターを備えた照明器具が存在しましたが、この機材も同様の効果があり、ピントの調整も可能です。
光源に窓枠のような表現となる枠(プレート)を使えば、差し込む夕日の表現も可能です。
様々な柄のプレートが用意されているので、シーンで使い分ける楽しみもあります。
現状の照明機器では難しい、氷やガラスを通過した光の演出です。太陽の下に持ち出して撮影することが最終手段ですが、被写体によっては不可能ですし天候に左右されます。この照明機材は見事に太陽の替わりを務めてくれます。

照明機器、光の質、光の色等々に精通することは、写真撮影のプロとしては追求すべきポイントの1つと考えています。今でも白熱電球、蛍光灯、ストロボ、LEDと様々に用意して、クライアントの要望に応えてゆくよう準備しています。

長期データ保存最良の方法は

もうすでに写真がデータだけになって久しいですが、昔のデータが消失した経験は多くの方が持たれておりと思います。最もベストな方法は何かと模索したものですが、当初は様々なメディアが乱立し大容量が求めにくい状態でした。CD,MOディスク(サイズも仕様も様々)、HDD、PD(パナソニックのケース入りMOに近い規格)等々。

現状の弊社では、撮影データ+処理中データ+納品データをブルーレイかDVDかに納めて保存し、最終データのみをHDDに納めてデータベース化しております。10年前のデータが必要になったときなど、CDやDVDが読み込み出来ない場合が時々発生してきました。その頻度は体感ですが1%〜2%だと思います。HDDについても機械製品なので、一定の間隔では通電する必要があり、壊れれば大容量ゆえに被害は拡大します。また、2重保管の煩わしさもあり、もっと強固で安心できる方法は無いかと探してきました。

発見 M-Disc

少し前に今回紹介する「M-Disc」の存在を知り。アーカイブ目的のデータなどはこのメディアでクライアントへお納めするとともに、順次弊社の保管方法も切り替えようと考えています。

M-Discとは

株式会社アイ・オー・データ機器のWebに詳細な説明がされていますので、紹介させてもらいました。
https://www.iodata.jp/ssp/verbatim/opticaldisk/m_disc/

色素とも磁気とも異なる、金属皮膜に記録するという方法に安心感を感じます。まだまだ一般的ではないかもしれませんが、安定性も高く読み出しには特別な機器を必要としないため、価格次第で大いに普及するだろうと想像しています。
こうしたテクニカルの問題は、今正解で10年後にも正解だろうと思える選択をするだけで、10年後には新たな方法が出てくるなら、迷わず選択しようと思います。

メディアは容易に入手出来るメーカーは少なく、普及度合いの低さを物語っています¸

アクセサリー撮影

昨年秋に知人の宝飾デザイナーである堀川晴子さんより依頼を受け、特別なリングを撮影しました。
堀川さんの作品はとてもオリジナリティー高く、素晴らしいデザインと何時も感動を頂いています。このリングは堀川さんが個人的に依頼を受けたもので、お子様用リングもセットになっています。とっても沢山の幸せを描いた物語に、写真の撮影で少しだけ参加させて頂きました。

何時ものように様々なテクニックを総動員しております。
この写真を元にして、サンドブラストを使ったパブミラーを制作しています。次回はその結果もお見せできると思います。